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人材不足時代に求められる住宅アフター体制とは ―変化する住宅市場で高まる新たな住宅価値(後編)

前編では、新築住宅市場の縮小や人材不足、住宅価値に対する考え方の変化を背景に、住宅会社に求められる役割が変化していることを紹介しました。住宅の長寿命化が重視されるなか、住宅を建てるだけでなく、維持管理まで見据えた取り組みの重要性が高まっています。実際に、こうした取り組みを行っている住宅会社のなかには、顧客との継続的な関係構築を通じて新築受注につなげているケースも見られます。

では、こうした変化に対応するために、住宅会社はどのようなアフターサービス体制を構築すればよいのでしょうか。

近年は、長期保証や定期点検など、引き渡し後のサポートに対する期待が高まる一方で、人材不足や対応品質の維持といった課題も顕在化しています。限られた人員でも、継続的に質の高いアフターサービスを提供できる体制づくりが重要になっています

本記事では、人材不足時代に住宅会社が取り組むべきアフターサービス体制のあり方や、アフターサービスを継続的な顧客接点として活用するための考え方について整理します。

アフターサービスを取り巻く3つの課題

住宅を引き渡した後も、住宅会社にはさまざまな業務が発生します。問い合わせ対応や定期点検、修理の手配、保証対応など、その内容は多岐にわたります。近年は長期保証制度の充実も進み、住宅会社と顧客との関係はこれまで以上に長期化する傾向にあります。

一方で、こうしたアフターサービスを継続的に提供していくためには、住宅会社が解決すべき課題もあります。代表的な課題として挙げられるのが、次の3つです。

① 人材不足

住宅会社では、新築事業を中心に展開しているケースが多く見られます。そのため、引き渡し後の点検や問い合わせ対応を、現場監督や営業担当者が兼務していることもあります。

新築案件が増えるにつれて、アフターサービスの対象となる住宅やOB顧客も増えていきます。実際には、補修やメンテナンスそのものよりも、連絡の遅れによって発生するクレーム対応や説明・フォローに多くの時間を要するケースも少なくありません

また、引き渡し件数の増加に伴い、点検や問い合わせ対応などのアフター業務も増加していきます。一方で、それに見合う体制を整え続けることは容易ではありません。アフター対応を担当者個人の努力だけでカバーし続けることには物理的な限界が生じつつあり、従来の運用ではアフターサービスの品質や対応スピードを維持することが難しくなる可能性があります。

② 品質・リスク

住宅は年月の経過とともに、屋根や外壁、防水、設備機器など、さまざまな箇所で劣化や不具合が発生する可能性があります。特に近年では、雨漏りとシロアリ被害が重なるような複合的な事故も見られます。このような場合は原因の特定や補修範囲の判断が難しくなることもあります。保証窓口が一本化されていれば、原因特定や補修方針の判断をスムーズに進めやすくなり、住宅会社が複数の関係者との調整に追われるリスクの軽減にもつながります。

また、不具合への対応では、顧客への説明や対応履歴の管理も重要になります。過去の点検記録や修繕履歴が残されていれば、不具合との関連性を把握しやすくなりますが、記録が十分でない場合には、原因究明や対応に時間を要する可能性があります。そのため近年は、不具合が発生してから対応するだけでなく、定期点検や住宅履歴の蓄積による予防的な維持管理の重要性にも注目が集まっています。住宅履歴は、前編で紹介した資産価値の維持だけでなく、品質管理や継続的なアフターサービスを支える基盤としても重要な役割を果たしています

③ 持続性・責任

長期保証制度が広がるなかで、もう一つの課題となるのが、アフターサービスを継続的に提供するための体制づくりです。

例えば、20年、30年といった長期間にわたり住宅をサポートしていくなかでは、担当者の異動や退職、組織変更などが生じることも少なくありません。こうした事態が生じた際、特定の担当者やベテラン社員の経験に依存した運用では、将来的にサービス品質の維持が難しくなる可能性もあります。

そのため住宅会社には、個人の経験や記憶に頼るのではなく、情報を組織全体で共有し、誰が担当しても一定の品質で対応できる仕組みづくりが求められています。

住宅の長寿命化を支える住宅会社の役割とは

こうした背景から、近年は長期保証や定期点検制度を充実させる住宅会社が増えています。

大手住宅会社では、構造や防水に対する長期保証に加え、複数回の定期点検を実施する仕組みが一般的になりつつあります。住宅を建てることに加え、引き渡し後も継続的に住まいを支えるという考え方が広がっています。

これは、単にサービス内容を充実させるためではありません。前編で紹介したように、住宅の資産価値や住宅履歴の重要性が高まるなか、適切な維持管理そのものが住宅価値を支える要素の一つとなっているためです。

住宅会社にとっても、定期点検を通じて住まいの状態を継続的に把握することは、適切な維持管理を実現するうえで重要な役割を果たします。また、アフターサービスは引き渡し後に始まるものではなく、新築時の設計や仕様、施工品質が、その後の維持管理のしやすさやメンテナンス頻度にも影響します。

そのため、住宅会社のなかには、高耐久部材の採用や長期保証制度の整備、防蟻対策や適切な地盤対策などを通じて、将来的な不具合リスクの低減に取り組むケースも見られます。

住宅の長寿命化が重視される現在、住宅会社には、住宅を建てるだけでなく、その後の維持管理まで見据えた住まいづくりを支える役割が求められています

売って終わりにしたくない、住まいを支え続ける仕組みへ

住宅会社の役割が広がるなかで、顧客との関係性にも変化が見られます。

従来は、住宅の引き渡しが一つの区切りと考えられることもありました。しかし、住宅を長く活用する考え方が広がるなかで、引き渡し後も住まいを継続的に支えることが、これまで以上に重要になっています。

前編で紹介したように、住宅購入者の価値観も変化しています。住宅を「一生住み続けるもの」としてだけでなく、「住み替える」「貸し出す」「相続する」といった将来の選択肢まで見据える人が増えており、住宅会社には建築時だけでなく、その後の暮らしを支える役割も求められています。

こうしたなかで重要になるのが、アフターサービスです。アフターサービスは、不具合への対応だけでなく、定期点検やメンテナンスを通じて住まいの状態を継続的に把握し、適切な情報提供やサポートを行う役割も担っています

また、住まいには、設備の交換やリフォーム、住み替え、相続など、ライフステージに応じてさまざまなニーズが生まれます。住宅会社が住宅履歴を活用しながら継続的にサポートすることで、それぞれの状況に応じた提案がしやすくなり、顧客にとっても安心して相談できる関係づくりにつながります。

このように、アフターサービスは住宅の維持管理を支えるだけでなく、住宅会社と顧客との継続的な信頼関係を築く基盤としても重要な役割を担っています。

DXや外部リソースの活用が広がる

アフターサービス体制の強化が求められる一方で、人員を増やし続けることは容易ではありません。そのため近年は、DXや外部リソースを活用しながら、限られた人員でも持続的に質の高いアフターサービスを提供できる体制づくりが進んでいます。

例えば、次のような取り組みが広がっています。

  • コールセンターによる一次受付
  • 点検業務の外部委託
  • 顧客管理システムの活用
  • 住宅履歴管理システムの導入

外部リソースの活用については、「顧客との接点が減ってしまうのではないか」と懸念されることもあります。しかし近年では、顧客との関係性を維持しながら、問い合わせの受付や点検日程の調整、対応履歴の管理といった業務を効率化し、住宅会社の担当者が、提案や課題解決など、より付加価値の高い業務に注力するための手段として活用する考え方が広がっています。

また、顧客情報や問い合わせ履歴、点検結果、住宅履歴などをデジタルで一元的に管理することで、組織全体での情報共有も進みます。担当者が変わった場合でも、これまでの対応経緯を把握しやすくなるほか、蓄積した情報は定期点検や将来的なリフォーム提案などにも活用できます。

このように、DXや外部リソースの活用は、業務を効率化するだけでなく、アフターサービスの品質や継続性を支える仕組みとしても重要性を増しています。人材不足や住宅の長寿命化が進むなか、持続可能なアフターサービス体制を実現するための選択肢として、今後さらに活用が広がっていくことが期待されます。

住宅価値を支える仕組みとしてのアフターサービス

前編では、住宅市場や住宅価値を取り巻く環境の変化を整理し、後編では、そうした変化を踏まえて住宅会社に求められるアフターサービスの役割や、体制づくりの考え方について紹介しました。

住宅の長寿命化が進むなか、アフターサービスは、不具合への対応だけでなく、定期点検や維持管理、住宅履歴の蓄積を通じて、住まいの価値を長期にわたり支える仕組みへと役割を広げています。また、人材不足が続くなかでは、DXや外部リソースも活用しながら、継続的に質の高いアフターサービスを提供できる体制づくりが、これまで以上に重要になっています。

こうした流れを受け、ジャパンホームシールドでは、品質保証・アフターサービス・DXを組み合わせたサービスを通じて、住宅会社の継続的なアフターサービス体制づくりを支援しています。例えば、地盤から建物、防蟻までを対象とした長期品質保証や引き渡し後の安心につながる仕組みづくりをサポートしています。そのサービスの一つである24時間365日のコールサービスでは、お施主様からの不具合に関する一次対応を受け付けることで、住宅会社の従業員の負担を軽減するとともにお施主様の安心と満足度の向上を支える継続的なアフターサービス体制の構築をサポートしています。

建物サポートシステム
ストック型

地盤サポートマップ
Pro2

Homille
リノベナビ

住宅を建てることがゴールではなく、その後の暮らしと住まいの価値を支え続けることが、これからの住宅会社に求められる役割です 。アフターサービスは、その役割を実現するための重要な基盤として、今後さらにその重要性を増していくでしょう。

事業開発本部  岡部 健広
事業開発本部 岡部 健広
2008年ジャパンホームシールドに入社。北海道・九州支店長として 拠点運営を担った後、FC部門で全国の加盟店開拓を推進。 現場と営業組織の双方を熟知した強みを活かし、現在はマーケティング部 販促グループにて、市場分析に基づいたプロモーション戦略の策定から 各種販促施策の実行まで幅広く担当している。

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