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【連載記事】#02 買取再販を始める前に知っておくべき3つの誤解

不動産ビジネスにおいて、特に「売買」を行う場合には、大きく分けて2つの分野があります。一つは「仲介」そしてもう一つが「買取り」です。

「仲介」はさらに「売主側の仲介」と「買主側の仲介」に分かれ、仕事内容も変わってきますが、今回は多くの方々が興味を持たれている「買取り」を始めるにあたって、あらかじめ知っておくべき3つのことをお話したいと思います。

「やりたいこと」=「消費者が求めるもの」ではない

建設業者に従事されてこられた方は、これまで多くのお客様のニーズに応える仕事をされてきました。したがいまして、「お客様が何を求めているのか?」を熟知されているという自負をお持ちの方も多いでしょう。

しかし、その経験の延長で「買取再販」市場へ突入することは危険です。

国土交通省「住宅市場動向調査報告書」によれば、「注文建築」「分譲住宅」「既存(中古)住宅」のいずれかを取得された人のうち、「既存(中古)住宅」の取得理由で、ダントツで1位なのが「予算的にみて手頃だったから」というもので、実に71%の人が回答(※1)しています。

つまり、「既存(中古)住宅」市場へ参入する大前提に「予算の壁」があるということを認識しておく必要があります。

もちろん、限られた予算の中でもより良いものを提供することは、とても重要なことですが、性能や設備がハイスペックになるあまり価格が高くなり過ぎることには注意が必要です。

昨今、性能向上リノベーションが注目されています。これを「買取再販」物件で行う業者もいますが、そこでポイントになるのが「地域属性」です。

例えば、神奈川の湘南エリアは高価格帯でも購入する消費者が集まる街です。また、北海道などは「寒冷地」としての固有のマーケットが成熟しており、省エネなどの住宅性能に一定のコストを払う地域もあります。

現実として、本来消費者が求めている性能であっても、コスト面で払えないものは売れません。この見極めが重要です。

※1 出典:国土交通省 令和5年度住宅市場動向調査報告書

利益は「金額」ではなく「回転率」で考える

「買取再販」を行う場合、現金で買い取る会社もあれば、金融機関から融資を受けて買い取る会社もあります。

もし、「金融機関」との「買取再販」としての融資実績がなければ、早急に着手することをおすすめします。すでに「金融機関」から融資を得られたとしても、その後のリフォーム費用まで融資してもらえるかは、金融機関や実績などによって様々です。

さて、仮に3,000万円で買取再販を行うとして、通常は仕入れ物件を見つけて契約して、その物件の引き渡しを受ける仕入れ決済までは早くて1ヶ月、通常は2、3ヶ月が一般的です。そして引き渡しを受けてからリフォーム工事に入り、完成して販売活動開始から売却まで3ヶ月かかるとすれば、概ね仕入れ契約から売却までは半年以上かかります。このサイクルを1回転としますが、この間現金は眠ります。

1回転で仮に300万円の利益を確保できたとしても、仕入れから売却まで半年以上かかるため、年間で回せるのは1. 5回転程度です。そう考えると、理論上、1年間で得られる利益は最大でも450万円ほどでしょう。

この場合、1回転で確実に利益を確保したいがために、販売期間を長くしてでも売れるまで粘ることになりがちですが、長くなればなるほど値下げのリスクも高まります。

しかし、これを仮に1回転の利益を200万円にしたとしても、3回転させれば利益は600万円になります。

「買取再販」でより多くの利益を出している企業のほとんどは、この「回転率」を重視しています。また、この「回転率」という考え方は、それを担当している従業員がいくらの利益をもたらすか?という考え方でもあります。

「同業者」は「支援者」として味方となる

仕入れた物件を販売する場合に、誰が買主を見つけるか?という問題があります。

例えば、皆様が「買取再販」会社として仕入れた物件を、他の不動産会社が買主を見つけてきたとします。この場合、皆様はその買主を見つけた不動産会社に対して「仲介手数料」を支払うことになります。この金額がおおよそ物件価格の3%ほどです。3,000万円の物件であれば100万円弱です。当然、この金額分だけ利益が減ることになりますので、”自社の従業員で買主を見つけてきて欲しい”と考えます。そうなると、買主を集客するために広告をする必要があります。

ここで重要になる考え方の一つが「目先の利益」と「継続利益」です。「目先の利益」だけであれば、自社の従業員が買主を見つけてくる方が利益は増えますが、もし他の不動産会社を通して契約に至ると、その会社との関係性が生まれます。

皆様は「買取再販」をしていくにあたり、仕入れ物件が常に必要です。その情報は数多くあるに越したことはありません。自社で直接消費者から仕入れ物件を集めること以上に、他の不動産会社から情報を集める方が、より多くの情報が来るのは当然です。

取引したことのない他の不動産会社に「情報ください」と言ってもなかなかくれないでしょう。しかし、一度、取引して仲介手数料をきちんとお支払いしていれば、情報をくれる関係ができあがります。「継続利益」とはこういう考え方です。一見すると、ライバルに見えがちな同業者は実は支援者と表裏一体。これが不動産業界では重要になってきます。

以上の3つ以外にも色々とありますが、まずはこの3つを注意していただければと思います。

価値住宅株式会社 代表取締役 高橋 正典
価値住宅株式会社 代表取締役 高橋 正典
金融機関勤務を経て、都内不動産デベロッパー立ち上げ期に参画。 2008年株式会社バイヤーズスタイル設立、代表取締役就任。 業界初となる全取り扱い物件に「住宅履歴書」を導入、自社施工物件のみならず、仲介物件においても引き渡し後の「維持管理事業」を展開し、2016年価値住宅株式会社へ社名変更。 VCネットワーク「売却の窓口®」を運営。不動産コンサルタントとして、講演や各種メディアへの寄稿多数。

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