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アフターサービスと10年保証の違いは?組み合わせが有効なケースやよくある質問

住宅業界では、住宅の品質確保の促進等に関する法律(以降、品確法)の10年保証とは別に、アフターサービスとしてのメーカー保証や長期保証があります。しかし、住宅会社の営業・現場担当者にとって、アフターサービスと10年保証における機能面の違いや、万が一の不具合が発生したときの対応について、整理が難しいと感じる場面はあるのではないでしょうか。

一般的に『保証』と聞くと混同されがちですが、本記事では「法的義務としての保証」と「サービスとしての保証」を分けて整理しつ、現場でどのように使い分けられているのか、組み合わせが有効なケースについてご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.アフターサービスと保証の定義
    1. 1.1.アフターサービスとは
    2. 1.2.保証とは
  2. 2.アフターサービスと10年保証の3つの違い
    1. 2.1.違い①品確法に基づく法的義務の有無
    2. 2.2.違い②サポート内容と対象範囲
    3. 2.3.違い③サポート期間
  3. 3.アフターサービスの提供が重要な2つの理由
    1. 3.1.「起きてから」ではなく「起きる前」の対策の重要性
    2. 3.2.10年目以降も住宅品質を維持する取り組みの重要性
  4. 4.アフターサービスが解決できる課題3選
    1. 4.1.課題①構造・雨水以外の部位で万が一の不具合に対応したい
    2. 4.2.課題②万が一の不具合を早期発見して予防したい
    3. 4.3.課題③10年目以降も長期的な関係を継続したい
  5. 5.アフターサービスと保証に関するよくある質問
    1. 5.1.質問①引渡し後10年以内の保証は、品確法の10年保証とアフターサービスの保証はどちらが優先されますか?
    2. 5.2.質問②人手不足でアフターサービスに手が回せないときは、どうすればいいですか?
    3. 5.3.質問③お客様が他社でリフォームを行った場合、自社の保証やアフターサービスはどうなりますか?
    4. 5.4.質問④アフターサービスをお客様へ提案するタイミングはいつが良いでしょうか?
  6. 6.引渡し後も安心して住めるアフターサービスを

アフターサービスと保証の定義

アフターサービスと保証は、住宅業界で日常的に使われる言葉ですが、指している中身は異なります。両者の違いをご説明する前に、まずはそれぞれの定義を整理します。

アフターサービスとは

アフターサービスとは、住宅会社が引渡し後に独自にご提供する、住宅の保守・運用サービス全般のことです。法律で義務付けられているものではなく、住宅会社それぞれが対象範囲や期間を独自に設計しています。

住宅会社が提供するアフターサービスには、たとえば以下のような取り組みが含まれます。

  • 定期点検
  • メンテナンス
  • 駆けつけサービスやコールセンター
  • 長期保証や延長保証

つまり、アフターサービスは「保証」だけを指す言葉ではなく、定期点検や駆けつけサービスといった保守・運用全般も含まれています。

アフターサービスの目的は、引渡し後も住宅の品質を維持し、お客様が長く安心してお住まいいただける状態を保つことです。住宅会社や保証会社が提供する保証サービスは、その目的を実現するための手段の一つとして位置付けています。

保証とは

そして本記事で「保証」と呼んでいるのは、品確法に基づく新築住宅の10年保証のことです。具体的には、新築住宅の売主または建築請負者が、引渡しから10年間、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分に契約不適合(瑕疵)が見つかった場合、補修(修理)などの責任を負うことを指します

※なお、2020年の民法改正に伴い、民法上は「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」へ呼称が変更されました。一方、品確法では現在も「瑕疵担保責任」という用語が使われています。したがって、一般法(民法)と、特別法(品確法)の違いから、"住宅の品質を守る"という目的で「瑕疵担保責任」と「契約不適合責任」は重なり合う関係にあります。

つまり、品確法が定めた法的義務である10年保証と、住宅会社や保証会社が任意で提供しているアフターサービスとは、立ち位置が異なるものとして整理することができます。

アフターサービスと10年保証の3つの違い

アフターサービスと(品確法の)10年保証の定義を明確にしたところで、ここではアフターサービスと10年保証それぞれの違いについて、3つの視点から整理します。

違い①品確法に基づく法的義務の有無

1つ目は、法的義務の有無の違いです。前述の通り、アフターサービスは住宅の引渡し後に、住宅会社がお客様との契約に組み入れる、任意の付随サービスです。法律で義務付けられたものではなく、住宅会社それぞれが対象範囲や期間を設計することができます。

一方で保証は、品確法に基づく10年間の瑕疵担保責任です。これは、新築住宅の売主や請負人に法律で義務付けられた責任であり、原則として、契約で短縮したり免除したりすることはできません。

違い②サポート内容と対象範囲

2つ目は、サポートの内容や対象範囲の違いです。

前述のとおり、アフターサービスは、保証だけではありません。定期点検やメンテナンス、駆けつけサービス、コールセンターでの相談対応など、住宅の保守・運用に関する多様なサポートが含まれます。

さらに、アフターサービスの一部として住宅会社や保証会社が提供する保証は、住宅設備や防蟻の長期保証など、より広い部位まで補完することが可能です。

一方で、品確法の10年保証は、「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」に限定されており、基本的にはこれらの部位に万が一の不具合が生じた際の責任(補修等の対応)を負います。具体的には、基礎・柱・梁などの構造躯体や、屋根・外壁の防水に関わる部分が該当します。

お客様から「10年保証があるのになぜこの対応はしてもらえないのか」とご質問をいただくことがありますが、これは10年保証の限定的な範囲と、アフターサービスの幅広いサポート内容が混同して理解されていることが原因かもしれません。

違い③サポート期間

3つ目は、サポート期間の違いです。アフターサービスは、住宅会社や保証会社が項目ごとに期間を設計し、定期点検や申告期限など独自の運用ルールを持つことが一般的です。たとえば、住宅設備の延長保証で5〜10年、建物長期保証で20〜30年といった期間設計のほか、定期点検を引渡しから10年・20年・30年と段階的に組み合わせるケースもあります。

一方で、品確法の10年保証は、引渡し日を起算点として10年間と法律で決まっています。

項目

アフターサービス

保証(品確法10年保証)

義務性

住宅会社の任意設計

住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)で義務付け

サポート内容・対象範囲

保守・運用全般(定期点検、駆けつけ、設備延長保証、建物長期保証など)

・構造耐力上主要な部分

・雨水の浸入を防止する部分

期間

サービスごとに設定(1〜30年など)

引渡しから10年間

アフターサービスの提供が重要な2つの理由

ここまで、品確法の10年保証とアフターサービスの違いを3つの視点から整理してきました。営業担当の方からは、「品確法10年保証で構造・防水はカバーされるなら、アフターサービスは別になくても良いのでは?」というご質問をいただくこともあります。

ここでは、品確法の10年保証とは別に、アフターサービスの提供が必要となる2つの理由をご紹介します。

「起きてから」ではなく「起きる前」の対策の重要性

品確法10年保証は、対象部位に万が一の不具合が見つかった場合に住宅会社が補修等の対応を行う、つまり不具合が「起きてから」対応する仕組みだといえます。

ただし、構造の軽微なひび割れや、屋根裏・床下の劣化、雨漏りなどの兆候は、お客様が日常生活の中で気づくことは難しいです。お客様が気づかないまま時間が経過してしまうと、見えないところで被害が拡大し、結果的に大掛かりな修繕工事や費用負担が発生してしまう可能性があります。

そこで、アフターサービスの一環として10年目を迎える前から定期点検を実施しておくことで、お客様が気づきにくい万が一の不具合も、住宅会社が早期に発見して対策できるようになります。

起きてから対応する品確法10年保証に対して、起きる前に対策できるアフターサービスは、お客様の修繕費用負担や、住宅会社の対応コストを抑えるうえでも、重要ではないでしょうか。

10年目以降も住宅品質を維持する取り組みの重要性

品確法10年保証は、引渡しから10年で満了しますが、お客様の暮らしは何十年も続きます。もし、10年保証の満了とともに住宅会社からのサポートも終わってしまうと、お客様は10年目以降も長く安心して暮らせるかどうか、不安に感じてしまうかもしれません。

そこで、アフターサービスとしての長期保証や定期点検、建物検査など、建物の品質を長く維持できるサービスをご提供することは、お客様と長期的な関係を築くうえでも有効だと考えられます。

品確法10年保証は法的制度として義務付けられていますが、長期にわたって住宅品質を維持し続けていくためには、アフターサービスとしての継続的な取り組みが欠かせない要素になるのではないでしょうか。

アフターサービスが解決できる課題3選

ここでは、現場の営業担当者の方が、お客様にアフターサービスをご提案する際に、特にその意義を感じやすい3つのケースをご紹介します。

課題①構造・雨水以外の部位で万が一の不具合に対応したい

1つ目は、構造や雨水以外の部位で不具合が発生する場合です。品確法の10年保証は「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」に対象が限定されているため、それ以外の領域で発生する不具合は、10年保証ではカバーされません。

たとえば、キッチン・浴室・給湯器などの住宅設備は、メーカー保証が通常1〜2年で終了するため、その後に万が一不具合が発生した場合は、お客様が費用を負担する可能性があります。また、シロアリによる被害や、地震による建物の損傷なども、品確法の10年保証の対象外となります。

こうした10年保証ではカバーされない領域には、アフターサービスとしての設備延長保証、防蟻保証、地震保証などが用意されています。自社のアフターサービスとして10年保証に加えて保証範囲を広げることも、万が一の不具合に広く対応できる点でお客様の安心につながると考えられます。

課題②万が一の不具合を早期発見して予防したい

2つ目は、お客様ご自身では万が一の不具合の初期兆候に気づきにくい場合です。「構造耐力上主要な部分」や「雨水の浸入を防止する部分」であっても、基礎の軽微なひび割れや床下・屋根裏の劣化などは、日常生活の中で発見することが非常に困難です。

気づかれないまま時間が経過してしまうと、見えないところで被害が拡大し、結果的に大掛かりな修繕工事が必要となってしまう可能性があります。

したがって、アフターサービスの一環として「定期点検」をあらかじめ設計しておくことで、お客様が気づきにくい不具合を住宅会社側から早期に発見・予防できる体制が構築できます。

もし社内の人員だけで定期点検をカバーすることが難しい場合は、第三者機関による点検代行サービスを活用するのも一つの選択肢です。10年保証の期間内に万が一の不具合の兆候を早めに把握できると、お客様と住宅会社双方の修繕コストや負担を最小限に抑えることにつながると考えられます。

課題③10年目以降も長期的な関係を継続したい

3つ目は、10年目以降も長期的な関係を継続したい場合です。引渡しから10年が経過すると、品確法の10年保証は満了し、お客様との接点が少なくなりがちなタイミングでもあります。

同時にこの時期は、お客様ご自身も住まいのメンテナンスを意識し始める時期です。近年では、手軽さやポイント活用といった強みを背景に、ホームセンターや家電量販店などがリフォーム市場で存在感を高めているため、お客様にとって依頼先の1つとして候補に入っています。

そこで、10年保証が切れるタイミングに合わせて、アフターサービスとしてのインスペクション(建物検査)や定期点検を継続的にご提案することも有効です。部分的な修繕で終わらせず、お客様が長く安心して住める仕組みとして、ほかのアフターサービスもあわせてご提供することで、長期的な関係を継続しやすくなるのではないでしょうか。

アフターサービスと保証に関するよくある質問

ここまで、アフターサービスと保証の違いからアフターサービスが解決できる課題までご紹介してきました。こうした内容について、住宅会社からよくいただくご質問を、Q&A形式でご紹介します。

質問①引渡し後10年以内の保証は、品確法の10年保証とアフターサービスの保証はどちらが優先されますか?

引渡しから10年以内に、構造や雨水に関わる部分で万が一の不具合が発生した場合、品確法に基づく法定責任を住宅会社が負うことになります。これは法律によって住宅会社に義務付けられた責任であるためです。アフターサービスとして建物長期保証などを付帯していたとしても、10年以内の構造・防水に関する責任は住宅会社にある前提は変わらないためです。

一方で、たとえば住宅設備の不具合や、構造・雨水以外の部位で発生したトラブルについては、品確法の10年保証の対象には含まれません。これらは、アフターサービスとしての設備延長保証や駆けつけサービス、定期点検などで別途サポートする領域です。

質問②人手不足でアフターサービスに手が回せないときは、どうすればいいですか?

アフターサービスは定期点検や問い合わせ対応、修繕手配など、一定の人員体制が必要となる業務です。引渡し棟数が増えると、社内のリソースだけでアフターサービスをカバーしきれず、外部リソースの活用を検討される会社様もいらっしゃるのではないでしょうか。

ご検討にあたっては、「顧客接点を自社で持つべきか」と「対応品質とコストを社外で再現できるか」の2つが大きな判断軸になると考えられます。参考までに、以下の観点で整理してみてはいかがでしょうか。

項目

アフターサービス

戦略的接点

お客様との接点をリフォームや次回建替えにつなげるなら、自社で直接接点を維持することに価値があるでしょう。一方、お客様からの連絡に対する一次窓口などは、外部に任せやすい業務です。

対応品質

自社の対応品質をマニュアルとして基準化できているほど、外部委託先でもその品質を再現しやすくなります。逆に、経験や勘が求められる場合は、品質がばらつくリスクがあります。

対応コスト

対応工数が多い場合は、社内に専任体制を持つほうが1件あたりの対応コストは下がるでしょう。一方で、対応工数が少ない場合は固定費が重くなってしまうため、必要なときだけ外部リソースを活用する方が、対応コストを抑えやすくなります。

対応スピード

お客様からのご連絡へのレスポンスは、お客様の安心感に直結します。24時間対応のコールサービスなどを活用することで、夜間・休日も含めて受付スピードの早さを維持できるでしょう。

収益

アフターサービス自体を収益部門として育てる方向性であれば、自社で人員体制を厚くする判断もあります。一方、コスト部門として割り切る場合は、外部リソースで効率化を図るのも選択肢でしょう。

質問③お客様が他社でリフォームを行った場合、自社の保証やアフターサービスはどうなりますか?

品確法の10年保証は、法律上の責任として「構造耐力上主要な部分」や「雨水の浸入を防止する部分」の瑕疵について、引渡しから10年間は住宅会社が負う責任です。ただし、他社によるリフォームが原因で不具合が発生した場合には、因果関係の確認が必要になります。

一方でアフターサービスについては、住宅会社が独自に設計するものであるため、自社以外で施工した部位は対象外、また他社リフォーム後は長期保証の対象から除外のように独自のルールを設けている場合があります。

お客様がリフォームを検討される前に、自社のアフターサービスでどこまで継続対応できるか、リフォーム後はどの範囲が対象から外れる可能性があるかを事前にご案内しておくと、お客様との認識のずれを防ぎやすいのではないでしょうか。

質問④アフターサービスをお客様へ提案するタイミングはいつが良いでしょうか?

アフターサービスの必要性を、1回のご説明ですべてをご理解いただくのは難しいでしょう。実際に、契約前・引渡し時・定期点検時など、複数のタイミングに分けてお伝えする住宅会社もいらっしゃいます。

一例として、以下のようにそれぞれの段階でご説明することも有効でしょう。

項目

アフターサービス

契約前の段階

品確法10年保証とアフターサービスの全体像をお伝えし、お客様が自身で理解し検討できる情報の提供にとどめる。

引渡し時

アフターサービス基準書や保証書面をお渡しして、部位ごとの期間や申告方法を具体的にお伝えする。

定期点検時

残りの期間や次回点検までのポイントをあらためてお伝えする。

このように、お客様の検討段階に応じて、品確法10年保証とアフターサービスの違いと組み合わせを段階的にお伝えすることで、お客様の納得感とご満足にもつながるのではないでしょうか。

引渡し後も安心して住めるアフターサービスを

アフターサービスと保証は、意味的に内容が一部重複していることもあり、住宅会社とお客様の双方で整理がつきにくいかもしれません。だからこそ、両者の違いを理解してもらうことで、それぞれの必要性を理解していただく機会につながると考えます。

品確法の10年保証は法的責任をもって提供しつつ、アフターサービスとして定期点検や駆けつけサービス、長期保証などを組み合わせて、引渡し後もお客様に長く寄り添い続けていく。こうした取り組みは、お客様が長く安心して住み続けられる住まいの実現につながると考えられます。

この記事が、お客様へアフターサービスと10年保証の違いをお伝えする際に参考になれば幸いです。

Sasa-ell Next編集部
Sasa-ell Next編集部
Sasa-ell Next編集部のメンバーが、住宅から不動産まで役立つ情報を広く深く発信していきます!

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