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お客様はリフォーム会社を何で選ぶ? 調査データから考える、選ばれる提案のポイント

住宅リフォームの市場規模は、2024年に7兆3,470億円と前年からほぼ横ばいで推移していますが、新築着工棟数の減少に伴う競合他社のリフォーム参入により、現場での受注競争は激化しています。

そうした環境下で、住まいに関する相談内容を見てみると、リフォームに関する相談が新築に関する相談を初めて上回ったことが調査結果から分かっています(※1・2)。こうした環境下で、住宅会社やリフォーム会社では、お客様のご要望や住まいの状態を踏まえながら、工事内容や費用をご提案する機会も多いのではないでしょうか。

一方、提案後に選ばれなかったお客様から、最終的に「なぜその会社を選んだのか」「なぜ自社を選ばなかったのか」を詳しく聞ける機会は限られています。

そこで本記事では、住宅リフォーム推進協議会の消費者調査をもとに、お客様がリフォーム会社を選ぶ際の判断基準をデータから紐解き、リフォーム提案のポイントを考えていきます。

※1 引用元:株式会社矢野経済研究所「住宅リフォーム市場に関する調査(2026年)」2026年7月

※2 引用元:公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅相談統計年報2025」2025年9月

目次[非表示]

  1. 1.お客様はリフォーム会社の何を見て決めている?
  2. 2.お客様に選ばれるリフォーム提案の3つのポイント
  3. 3.【Q&A】お客様目線のリフォーム提案に関するよくある質問
  4. 4.お客様の判断材料をそろえる提案が、選ばれる会社をつくる

お客様はリフォーム会社の何を見て決めている?

ここでは、調査データから読み取れるお客様の不安を3つに整理し、それぞれが商談のどの場面であらわれるのかを見ていきます。

※3引用元:一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「2025年度 住宅リフォームに関する消費者(検討者・実施者)実態調査結果報告書」2026年2月

検討段階では「判断できないこと」が不安になっている

リフォームを検討するお客様が気にしているのは、工事費用だけではありません。

同調査では、リフォーム検討者が不安に感じていることとして、「費用がかかる」40.3%が最も高く、「リフォーム工事後の不具合への対応(アフターケア)」29.7%、「工事の施工が適正に行われるか」29.5%、「見積もりの相場や適正価格がわからない」27.6%が続きます(※3)。

特に注目すべきは、「高いか、安いか」だけではなく、工事内容や価格をどのように判断すればよいのかにも不安があることです。

たとえば、見積書を受け取っても、その金額が住まいの状態に対して妥当なのか、お客様自身で判断することは簡単ではありません。また、提案された工事についても、「どこまで必要なのか」「今行うべきなのか」といった判断には、住宅に関する知識が必要になる場合があります。

更に「いろんな業者の特徴を比較しにくい」と回答した方も18.9%でした(※3)。住宅会社側では、自社と他社の施工方法、検査体制、保証内容などの違いを理解していても、お客様から見ると、それらを同じ基準で比較しにくい場合があります。

つまり、検討段階の不安の多くは、工事そのものへの不信ではなく、判断する材料が手元にないことから生じていると考えられます。

実際に選んだ人は、安さより価格の透明さを重視していた

では、実際にリフォームを行った方は、事業者を選ぶ際にどのような点を重視していたのでしょうか。

同調査では、事業者を選ぶ際に重視した点として、「担当者の対応・人柄」44.0%、「工事の質・技術」36.2%、「工事価格の透明さ・明朗さ」30.1%、「的確な情報提供力」27.1%、「工事価格が安いこと」27.0%、「要望に対する理解力」25.1%などが挙げられています(※3)。

ここで注目したいのは、「工事価格が安いこと」27.0%より、「工事価格の透明さ・明朗さ」30.1%の方が高い点です。

リフォームには定価がありません。同じ「外壁の塗り替え」でも、住まいの状態や工法によって金額は変わるため、提示された金額が妥当かどうかをお客様自身で確かめることは簡単ではありません。検討者の27.6%が「見積もりの相場や適正価格がわからない」と回答していたことも、同じ事情を示しています。

だとすれば、金額を抑えることと、金額の根拠を確認できるようにすることは、お客様にとって別の意味を持ちます。安さは他社と並んだときに逆転されますが、根拠が分かる状態は、お客様が自分で納得して決めるための土台になります。透明さが安さを上回っていた背景には、こうした事情があると考えられます。

「担当者の対応・人柄」の前に「要望に対する理解と情報提供」を見ている

また、「担当者の対応・人柄」が44.0%と最も高い一方で、「的確な情報提供力」27.1%、「要望に対する理解力」25.1%も挙げられています(※3)。

「人柄」という言葉からは、話しやすさや印象の良さを思い浮かべるかもしれません。しかし、自分の要望をうまく汲み取ってもらえず、知りたかったことにも答えてもらえないまま、人柄だけを理由に依頼先を決めるお客様は多くないのではないでしょうか。

選び方の順序としては、「担当者の対応・人柄」の前に「要望に対する理解と情報提供」を見ていると考えられます。つまり「要望を正確に受け止めてもらえた」「長く安心できる住まいのことを分かりやすく教えてもらえた」と情報を提供した先に、「この担当者になら任せられる」と評価される順序になっていると考えられます。

このように、価格や担当者の印象だけでなく、要望を理解してもらえること、工事内容や価格について必要な情報が分かりやすく示されることも、事業者を選ぶ際の判断材料になっていると考えられます。

お客様に選ばれるリフォーム提案の3つのポイント

ここまで、調査データからお客様の判断基準を整理してきました。では、その視点を踏まえ事業者がリフォーム提案を組み立てるとき、何に注意しておくといいのでしょうか。

ここでは、リフォーム提案の場面で押さえておきたい3つのポイントを取り上げます。

ポイント①お客様ごとに判断できる材料をそろえる

住宅会社では、工事内容や建物の状態について丁寧に説明していると思います。ただし、説明を聞いて内容を理解できることと、複数の提案を比較して自分で判断できることは同じではありません。

たとえば、 ・どこにどのような状態があるのか ・なぜその工事が必要なのか ・工事の優先順位はどう考えるのか ・今回工事しない箇所はどうするのかまで整理されていれば、お客様は提案内容を確認しやすくなるでしょう。写真や点検結果、住まいの状態をまとめた報告書など、口頭説明以外の判断材料を用意することも一つの方法です。

また、商談に参加した方だけでなく、ご家族と相談して決定する場合もあります。その際には、工事箇所の写真、見積書、調査結果、工事の優先順位などを持ち帰って確認できる形にしておくことで、商談に同席していなかったご家族とも情報を共有しやすくなります。

つまり、工事内容や建物の状態について詳しく説明するだけではなく、誰が見ても判断できる情報に整理することがポイントです。

ポイント②「安さ」ではなく、価格の根拠を伝える

リフォーム提案では、価格が重要な判断材料であることに変わりはありません。一方、前述のとおり、調査では「工事価格の透明さ・明朗さ」30.1%が、「工事価格が安いこと」27.0%を上回っています(※3)。

この結果から、単にリフォーム工事の費用を抑えるだけではなく、なぜその価格になっているのかを、お客様が確認できる状態にすることも重要だと考えられます。

たとえば、「外壁工事 一式 ○○万円」とだけ示すのではなく、

  • どの範囲を施工するのか
  • どのような材料を使うのか
  • なぜその工法を選ぶのか
  • 現在の建物状態と工事内容がどうつながっているのか

まで説明できていれば、お客様もリフォーム工事の価格に対して納得感をもって背景を確認しやすくなります。

ポイント③工事内容だけでなく、工事後までのアフターフォローを具体的に伝える

リフォーム実施者が事業者選びで重視した項目では、「工事の質・技術」が36.2%と、「担当者の対応・人柄」に次いで高くなり、検討者の不安では、「リフォーム工事後の不具合への対応(アフターケア)」が29.7%、「工事の施工が適正に行われるか」が29.5%でした(※3)。

リフォームでは、お客様自身が施工技術や工事品質を事前に確認することは簡単ではありません。そのため、

  • 施工中にどのような確認を行うのか
  • 誰が検査するのか
  • 工事記録を残すのか
  • 保証期間や保証内容
  • 工事後の点検
  • 不具合があった場合の相談先

など、工事品質や工事後の対応を確認できる情報を具体的に示すことが重要です。

「施工には自信があります」と伝えるだけではなく、品質をどのように確認しているのか、工事後にどのような対応があるのかまで説明することも、お客様が依頼先を比較するための判断材料になります。

【Q&A】お客様目線のリフォーム提案に関するよくある質問

ここまで、お客様の不安と評価軸、そして提案の場面で押さえておきたい視点を整理してきました。最後に、実際に提案の進め方を変えようとするときに出てきやすい疑問を取り上げます。

質問① 結局のところ、お客様は価格の安い会社を選ぶのではないでしょうか

いいえ。必ずしもそうとは限らないと考えられます。

価格が判断材料の一つであることは確かですが、実施者が重視した点では「担当者の対応・人柄」44.0%、「工事の質・技術」36.2%、「工事価格の透明さ・明朗さ」30.1%が、「工事価格が安いこと」27.0%を上回っています(※3)。

お客様は、リフォーム工事の金額そのものよりも、その金額の根拠が分かることや、任せられる相手かどうかが見られていると考えられます。価格で並んだときに差がつくのは、こうした客観的な裏付けと安心感にあるといえるでしょう。

たとえば、金額の話に入る前に「まずお住まいの状態を確認したうえで、いま必要な工事をご提案します。そして、先に住まいの状態を把握しておくことで、着工後に追加の工事が必要になる可能性を小さくできます」とお伝えする方法があります。安さで比べていただくのではなく、金額の根拠を示した形で提案できると、お客様はご自身で納得したうえで判断できるようになると考えられます。

質問② 第三者による調査を挟むと、かえってお客様の不安を煽ることになりませんか?

いいえ。調査の目的をどう伝えるかによって、受け取られ方は変わります。たとえば、「不具合を探すための調査」ではなく、「現在の住まいの状態を確認し、必要な工事と急がなくてもよい工事を整理するための確認」と説明することで、調査の位置づけが伝わりやすくなります。

なお、住宅の状態を確認する仕組みには、宅地建物取引業法上の「建物状況調査」のほか、住宅会社や民間事業者が独自の基準で実施する点検・調査などがあります。目的や調査範囲が異なるため、自社の提案内容に合った方法を選ぶことが大切です。

質問③ 調査や記録の体制を、少人数の会社でも始められますか?

はい。調査そのものを外部に委託することで、社内の負担を増やさずに、点検・記録・報告の体制を構築できます。事業者側の調査実施状況を見ると、インスペクションを実施している会社は46.0%で、不動産業を除くと51.1%でした(※3)。

すでに半数前後の会社が何らかの形で取り組んでいることがこのデータから伺えます。自社で調査を担う体制を整える方法のほかに、調査や報告書の作成を外部の事業者に委託する方法もあります。社内の人手や、どこまでを自社で抱えたいかによって、始め方は分かれてくると言えるでしょう。

お客様の判断材料をそろえる提案が、選ばれる会社をつくる

リフォームに関する相談が新築に関する相談を上回るなかで、比較検討される場面はこれからも増えていくと考えられます。お客様が何を材料に判断しているのかという視点から、いまの提案の組み立て方をよりブラッシュアップしていく価値はあるのではないでしょうか。

お客様が重視しているのは、価格の安さそのものよりも、担当者の対応や、費用の内訳の分かりやすさ、そして工事が適正に行われるかどうかでした。これらはいずれも、現場ですでに丁寧に取り組まれていることばかりです。

判断材料が自社の説明だけに限られている状態から、第三者の調査結果や住まいの記録といった材料を添えられる状態へ移していくと、お客様は自分で納得したうえで決められるようになります。

進め方は会社によってさまざまです。自社の点検体制を充実させて対応していく会社もあれば、調査だけを外部に委託して報告書を提案に活かす会社もあります。調査から記録の管理、メンテナンス工事の手配までをまとめて外部に任せる形を選ぶ会社もあります。どれが正解ということではなく、社内の人手や、どこまでを自社で抱えたいかに合わせて選んでいけます。

ジャパンホームシールドの「建物サポートシステム ストック型」も、そうした選択肢のひとつです。建物状況の調査から、結果をまとめた報告書の作成、必要なメンテナンス工事の手配までを支援しています。社内の体制を変えずに、点検のご案内から調査、報告書を用いたご説明、そして工事のご提案という一連の流れを組み立てることも可能です。

お客様に第三者の調査結果をお渡しできる体制をつくり、住まいのことを継続的にご相談いただける関係を築いていく手段のひとつとして検討できそうか、ぜひサービス資料をご確認いただけると幸いです。

Sasa-ell Next編集部
Sasa-ell Next編集部
Sasa-ell Nextは、地盤調査・建物検査を手がけるジャパンホームシールド株式会社が運営する、住宅・不動産事業者向け専門メディアです。 地盤調査・解析の累計250万棟超、建物検査の累計40万戸超の実績を持つ同社の知見を背景に、業界動向や関連制度、住宅の品質確保・維持管理など、実務に役立つ情報を発信しています。※実績は2025年8月末時点。

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