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顧客満足を追い求めたら高性能+ローメンテに行きついた/タカヤマ/ タイコウハウジング

タイコウハウジングはタカヤマが2012年に立ち上げた注文住宅ブランド。

「お客様に喜んでいただきたい」という一心で高性能かつローメンテナンスな家づくりを独自に追求してきました。

高山宗久社長に話を伺いました。

取材・文 = 金井友子(新建ハウジング)

お客様を迎えるエントランスは、癒しとやすらぎを感じさせる庭空間を演出。

ショールームにあるワークショップを行う場所。毎月ベントを開催している。

寒さ暑さや家事のしにくさは建築の力で解決できるはず、と中高生の頃から考えていた社長の高山宗久さん。

 同社の歴史は1947年までさかのぼります。初代が尾道で材木業を営み、1983年に先代が工務店を開始。3代目となる高山社長は、20代の時に建材総合商社でさまざまな工務店とつながって「自分がやりたい建築」を模索。

 29歳で家業に戻り、2012年34歳の時に「自分の力を試してみたい」と社員3人を連れて商圏が大きい福山に進出しました。

 その際に決めたのは、「ローコスト住宅は一切やらない」ということ。決意の裏には「お客様にとって心地いい住まいとは何かを突き詰めた結果、イニシャルコストは多少かかっても将来の暮らしの不安が減る“高性能でメンテナンスが容易な家づくり”をとことん極めたかったから」だと言います。

大工と高性能を極める

 断熱性能は、全棟でHEAT20・G2を上回るUA値0・4以下を徹底。ルームエアコン1台で家じゅうを快適にする全館空調システム「ilma(イルマ)」を3年前に自社開発し、この全館空調を採用する場合はUA値0・3前後になるよう断熱層をさらに厚くします。

 気密性能を表すC値は平均約0・2。これだけの性能を確保するのに欠かせないのが6人の社員大工の存在です。従来は1棟300万円ほどかかる気密工法を採用していましたが、「自社の技術力だけで高気密を実現したい」という思いがあり、それには大工の理解と協力が必須でした。そこで、高山社長も大工と一緒になって気密の勉強を一から始め、現場に足を運んでは隙間を指摘し合い、気密欠損をいかになくすか試行錯誤を重ね、自分たちなりの気密処理の方法を確立していきました。「努力を続けるうちにC値が1・0を切るようになり、大工同士が技や知恵を絞って競い合うことでコンスタントに0・2が出せるようになりました」。

自社専属大工による熟練の技術を生かした施工により、お客様に安心を届けている。 

ローメンテにこだわる

 住んでからのメンテナンスを容易にする取り組みも徹底しています。換気設備は機器の構造と設置場所がシンプルで手入れが楽な第3種を選択。建具はすべて上吊り式とし、油汚れを水洗いできるレンジフード、ステンレスの浴室排水口など、メンテナンスの手間を極力排除する部材を吟味。無垢の床材にする場合は、樹種によって収縮率が異なるため、樹種ごとにクリアランスを細かく決めて施工します。さらに、木材の収縮が落ち着く1年点検時にはクロス職人を伴って訪問し、クロスのジョイント部を無償で補修する徹底ぶりです。

 高山社長が、ローメンテナンスな家づくりにこだわるのは、それがお客様の心地よさ・満足度に直結すると考えているから。「メンテナンスは、修繕費などの“物理的負担”と職人が敷地内で作業することによる“心理的負担”の2つを強いられます。完全にゼロにはできなくてもメンテナンスが極力要らない家をつくることは、お客様の負担を軽くする重要なポイントです」。

年中快適な住環境を実現する全館空調システム「ilma」を採用した、生活のしやすさにもこだわった住まい。

塗り壁とガルバリウムを併用した立体感のある外観。玄関まわりの木の質感もアクセントに。 

OBはファミリー

 福山に進出して10年が経ち、社員数は16人に増え、高性能かつメンテナンスが楽な住まいを年に20棟丁寧につくり続けてきた結果、クレームはほぼゼロになりました。「最近ようやくお客様に満足・評価していただける会社として胸を張れるようになった」と言います。

 2年前にはOBとの交流ができるショールーム兼事務所を新設。「契約後の打ち合わせ回数が平均15回と、濃密な時間を数多く共有する当社の家づくりでは、引き渡し時に涙する方も少なくありません。そんなOBと“タイコウファミリー”として一生のお付き合いを続けていく場をつくりたいと考え、新しい事務所では月1回のワークショップを開催。OB同士がここで家の話に花を咲かせている様子を見ると、私はこれがやりたかったんだとつくづく思います」。ワークショップは陶芸やドライフラワーなど多岐に渡り、紹介やリピートへの発展も多々あるそうです。

毎月行っているワークショップは、陶芸やトートバッグづくり、寄せ植えなど、親子で楽しめるものを企画している。写真は木箱づくりワークショップの準備の様子。

本来の業務に集中できる
アフターサポート

 ジャパンホームシールド(JHS)との付き合いは14年前に始まり、今年5月にはJHSが新たに提供を開始した「アフターサポート(10年間の設備保証+ 24時間365日のコールサービス、駆け付けサービス+顧客管理システム」の導入を決めました。この決断に至ったのは、同社の中で唯一の弱点だった「設備機器類の不具合対応」の一部をJHSに外注化することで、抜けていた穴を埋められると判断したため。週末や夜中でもOBから「トイレが壊れた」「給湯器のお湯が出ない」といったSOSの連絡が各営業のスマートフォンに直接入るため、営業担当者は時間外対応を迫られて気が休まらず、とりあえず現地に足を運んでもその場で解決できることはわずか。メーカー保証を過ぎた機器類の故障は、誰が悪いというわけでもありませんが、お客様に不便を感じさせることへの申し訳なさと、一方では修理代はきちんと請求しなければならないという現実もあり、営業にとっては大きなストレスとなっていたそう。

 「ひとまず設備機器類の困り事が発生したときに24時間365日相談ができる受け皿があればお客様も私たちも安心だし、悩みが1つ減って本来の業務に集中することができます。当社のOB数は、私が直接知らない先代時代のお客様を含めると500組を超えますが、そうした方々にもいつでも電話できる総合窓口をご案内することで、20年前、30年前に建ててくださった方のことをきちんと気にかけていますよというメッセージにもなる。今後OB数がますます増えて手いっぱいになる前に顧客対応のベースを整えておきたいという思いもありました」と高山社長。限度額がなく、何度でも修理対応してくれる点も決め手になったそうです。

 本格的な運用はこれからですが、どのくらい活用できるか楽しみだと言います。

右からJHSの原沢支店長、タカヤマのCAD部の大村由美さん、高山社長、JHS中四国店の田中。「地盤調査後の相談にも、JHSさんが条件に応じた安全性などを丁寧かつスピーディに回答してくださるのでとても助かっています」(大村さん)

Sasa-ell Next編集部
Sasa-ell Next編集部
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