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全場面で「顧客満足」を追求 地域密着20年、次のステージへ/無垢スタイル建築設計

「住んでからの満足」に軸足を置き、[新築+リフォーム+不動産]のワンストップサービスで独自のポジションを築き上げてきた無垢スタイル建築設計さん。

西田光吉社長に話を伺いました。

取材・文 = 金井友子(新建ハウジング)

同社が何よりも大事にしているのが「住んでからの満足」。お客様のライフスタイルに寄り添った住まいを提案。

西田光吉社長。「無垢スタイル建築設計」という社名にはものづくり、人づくり、会社づくりに誠実に向き合う「無垢」な思いを込めた。

 同社の始まりは20年前。西田社長は26歳の時にリフォーム業界に飛び込みました。さっそく、メニューチラシを使った反響営業で実績を伸ばし、1人で売上げ2億円を達成。当初からリフォームの先に広がる市場をにらんで差別化を模索してきた西田社長は、[新築+リフォーム+不動産]をワンストップで提供する地域密着型のビジネスモデルに挑戦します。「1店舗あたりの売上が10億円規模の事業をつくれば経営的に安定するうえ、家にまつわることなら何でも対応する奥行きのあるサービスを提供すれば地域に必要とされ、社会的な役割も果たせると思った」と当時を振り返ります。

 コンビニエンスストアのように、提供する商品の数が多いほど地域に早く深く浸透すると考え、サービスと拠点を次々に拡充。売上高57億5000万円(21年連結)のグループに成長させました。ただ、この20年間で新築・リフォーム・不動産のどれもが常に好調だったことはなく、「3本柱が補い合うワンストップサービスに舵を切ったからこそ厳しい場面を乗り越えられた」と言います。

品質と満足を上げる

 西田社長が創業時から変わらずに追い求めてきたのは「品質」と「満足」の2つ。「打ち合わせ時の満足、契約時の満足、工事中の満足、引き渡し時の満足…、すべてのタイミングで満足を感じていただけるよう人の質、接客やメール対応の質、モデルハウスの質、設計の質、施工の質の向上にはかなり注力してきた」と話します。

 人の質を上げる取り組みとして、「カレッジ」と呼ぶ60講座にのぼる社内研修制度を整えてスタッフのキャリアステップを支援。外部の建築家を招いての勉強会や、成功事例を発表し合う「フォーラム」も定期開催しています。

 また、施工品質を上げる取り組みとして、全工種の施工マニュアルと品確法よりも厳格な基準を設けた品質管理マニュアルを策定。マニュアル通りに工事が行われ、求める品質が担保されているかどうかを確かめるため、第三者検査とは別に社内検査を徹底しています。

創業当初からオーナー宅見学会や構造見学会が人気。

一方でオンライン相談やバーチャル展示場も用意する。

生涯顧客化のしくみ

 そして、同社が何よりも大事にしているのが「住んでからの満足」です。「僕らが何のために仕事をしているのかと言えば、住まいを建てた後のお客様の幸せのため。だから、居住後の満足を継続する点検・メンテナンス、リフォームこそ当社の“軸”だと思っています」。

 これを実現する独自のしくみが「ムクサポシステム」と呼ぶ有料会員制のアフターサービスで、創業時から実施し、現在約2000世帯の会員がおり、会費は積立式です。住まいの点検はもちろん、部材・設備の交換、施主がホームセンターなどで購入した商品の取り付けにも対応し、積立金はリフォーム工事に充てることができます。

 ムクサポシステムを陰で支えるのは、同社が長年にわたって育成し内製化してきた「多能工」の存在です。大工や電気工事士、塗装工などが本業を生かしながらマルチスキルを身につけ、現在10数人の多能工が在籍。新築からリフォーム、リノベーションまで全工事を社内スタッフで完結でき、職人の仕事と地位の確保にも一役買っています。これらのしくみにより、ロイヤルカスタマー化を実現。リフォーム売上の実に3分の1をムクサポ会員が支えています。

複合型の単独展示場「北欧ヴィレッジ」内のリカスハウス。北欧の美しい別荘をイメージしたこだわりのリビング。

リカスハウスは上下階をつなぐ吹き抜け空間も魅力のひとつ。窓上部の格子は木漏れ日のような自然光をもたらす。

根拠ある地盤調査で
顧客のこだわりに応える

 同社はジャパンホームシールド(JHS)の地盤サポートシステムを2006年から全棟で採用。設計室長の石井渉さんは、導入のきっかけと決め手をこう振り返ります。「それまで数棟だった年間着工数が一気に30〜40棟まで伸び、地盤調査や改良工事にかかる設計スタッフの業務負担がかなり増えた時期と、一度実施した地盤調査を再解析するサービスが登場した時期が重なり、当社でも地盤関連の取引先を見直す時期に来ていました。そこで、地盤大手で信頼性が高く、お客様の安心につながるJHSにお願いすることにしたのです。その後、土質をより正確に判断できる『SDS試験』がスタート。きちんとした根拠に基づいて地盤の安全性を示せる要素がより増え、大きなメリットを感じています」。

 導入後は、それまで石井さんらが担っていた[地盤調査依頼→判定結果をもとに見積りを再依頼→改良工事工法を各方面に問い合わせ+見積り依頼→工法選定]から解放され、業務負担が大幅に軽減。難しい地盤が多い埼玉の中でも特に建物に予算を割きたいこだわり層が多い同社の場合、一筋縄ではいかない土地に遭遇するケースも少なくありませんが、「JHSの担当者に相談するとスピーディーに問題解決に導いてくれるのでとても助かっている」と言います。

「地盤の安全性を示すことで、お客様の安心につながる」と話す、設計室長の石井さん。

北関東で拡大目指す

 西田社長はすでに「次」の飛躍を始めています。「この20年間で地域密着の事業戦略は十分に達成したので、今は“拡大”にシフトし、自社展示場の建て替えや総合住宅展示場への出展を進めています」。2年前からは群馬県高崎市、栃木県鹿沼市の住宅会社と資本提携を交わして北関東に進出しています。

 一方で、新型コロナ以降のマーケットの変化を敏感に捉え、この一年間はあえて「我慢の期間」として営業活動をやや抑え、資材・地価が高騰しても手が届くような価格帯の商品開発と販売体制の整備を進めてきました。準備が整う秋以降、大きくジャンプする予定です。

左からJHS 東関東支店村田係長、無垢スタイル建築設計の西田社長。新人時代に同社を担当し、6年間の九州転勤を経て戻った際「おかえりなさいと言っていただけたのが嬉しかった」(村田)

Sasa-ell Next編集部
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