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「誠実・素直・感謝」を軸に東北のトップランナーへ/パルコホーム

「ママ楽の家」を旗印に、青森・岩手・宮城の子育て世帯から高い支持を集めるパルコホーム。ゆくゆくは東北全域に進出する計画を立てています。

そんな同社の成り立ちから転機、商品開発や人材育成への思いまで、杉沢淳社長に話を伺いました。

取材・文 = 金井友子

宮城エリアに誕生した「ママ楽の家」ジャパンディスタイルモデル。外観は落ち着きのあるシンプルモダンに仕上げている(泉・2 階建モデルハウス)。 

HEAT20・G2 水準に全館空調「AIR LOOP」を組み合わせ、快適性を高めた平屋モデル。木目調の家具が映える、温かみのあるナチュラルなリビング(八戸市田向モデルハウス)。

 前身は、1981年に岩手県盛岡市に誕生した日盛ハウジング。2002年にオリジナル住宅ブランド「パルコホーム」を立ち上げ、岩手および青森で拠点を広げてきました。一方、もうひとつの前身である「パルコホーム宮城」は2011年に生まれ、宮城県内で確かな存在感を示してきた住宅会社。そんな2社が2025年3月に合併し、「株式会社パルコホーム」として新たなスタートを切りました。

 現在は青森・岩手・宮城の3県にわたり18拠点を展開し、注文住宅着工棟数において4年連続東北ブロックNo1に認定されています(住宅産業研究所調べ)。

仮設住宅500戸の絆

 同社を語るうえで外せないのが2011年に発生した東日本大震災です。「数少ない地元ビルダーとして、岩手県沿岸地域で500戸の仮設住宅建設をやり遂げたことに大きな意味があったと思います」と杉沢社長。

 後押ししたのは業者会でした。当時、建築関係者だけでなく、旅行代理店や自動車販売店などの異業種も参加しており、職人の宿泊場所の確保から現地での生活物資の手配までを一丸となってサポート。杉沢社長や現会長も現場に駆けつけ、大工さんの手元となって連日作業にあたりました。「職人や協力会社との結束力が飛躍的に高まり、その絆と施工力は今のパルコホームの大きな強みになっています」。

パルコホームの杉沢淳社長。2003 年に入社し、2018 年に代表取締役へ就任。入社当時から同期とともに「お客様最優先」の姿勢を貫き、現在の社風を築き上げてきた。

2011年の東日本大震災では、岩手県沿岸地域で500戸の仮設住宅建設をやり遂げた。

「ママ楽」発想の家づくり

 同社の家づくりの基本的な考え方は、子育て世帯が無理なく返済できて、家事と子育ての負担を減らし、安心して暮らせること。2009年に商品化した「ママ楽の家」はそんな思いを結集したロングセラー商品です。

 盛岡市周辺に住む子育て中で共働きの女性を集めて座談会を開き、その生の声を反映したプランを開発。水まわりを集約した回遊できる家事楽動線や機能的な収納に加え、現在ではUA値0・28の断熱性能、太陽光発電、第一種換気を備えた高性能住宅へと進化しています。

 「商品開発会議では経営幹部の参加を抑え、生活者に近い世代の率直な意見が届くよう、トップダウンではなく生活者のリアルな声を尊重するボトムアップ体制を整えています」と杉沢社長。販売価格帯は資材高騰が続く現在も2000万〜2500万円と、子育て世代が無理なく買える価格を守り抜いています。

「オーナー様感謝祭」は、オーナーとのつながりを大切にしたいという思いから、青森・岩手・宮城の3県で毎年開催している一大イベント。子どもたちが楽しめる企画に加え、地域コミュニティの交流の場にも。

「嘘をつくな、約束を守れ、
仲間を思え」の三原則

 杉沢社長は「どんな人材でも会社の教育次第でスペシャリストに成長する」という考えのもと、人を採用する際には基本的に学歴や経験、適性は問わないと決めているそう。

 営業の新卒社員の場合は、盛岡本社で半年〜1年間の育成期間を経て、各現場へと送り出します。「私が社員によく話すのは、『嘘をつくな、約束を守れ、仲間を思え』の三原則です。新卒社員にはこの三原則に基づいた実践的な教育プログラムを用意し、“人”としての成長を促します。最初から住宅の知識や営業のノウハウを教えるよりも、人間性を育てることに注力したほうが、結果的に社員本人にとってもお客様にとっても幸せな家づくりにつながりやすいからです」(杉村社長)。同時に経営陣は、社員教育を通じて今の若者の考え方や感覚を学ぶ貴重な機会にもなっていると話します。

キューブを組み合わせたモダンなデザインが特徴のモデルハウス(青森市浪館モデルハウス)。毎月各エリアで「完成住宅見学会」を開催している。

結局「誠実」が一番強い

 杉沢社長が長年説いてきた三原則は、社訓の「誠実・素直・感謝」にも通じるもの。この言葉には、2003年に入社し、営業として15年間のキャリアを積むなかで見いだした杉沢社長の答えが集約されています。

 「保身のために嘘をついたり上辺だけ取り繕うのは一番やってはいけないこと。かつて強烈なクレームを投げかけてくるお客様がいましたが、顔を見て心からの謝罪をし、できないことはできないとはっきりと言いました。逃げずに向き合ったことで、その方とは飲みに行くまでの関係になりました。小手先のテクニックよりも、“誠実・素直・感謝”を身につけている人のほうがいざとなった時に何倍も強くいられるのです」。

 社長になった今でも100組ほどのOB顧客を担当し、自らアフターサービスを継続。うち10組とは日常的に付き合い、時には新規顧客を紹介してもらうこともあるといいます。

東北最大級のキッズコーナーや住宅設備のサンプルの展示、家事楽の工夫を詰め込んだモデルハウスを備えた住宅総合施設「パルコタウン」。地域に開放された「キッズランドパルルン」もあり、小さなお子様連れでも安心して利用できる。

長期保証をあたり前に

 同社とジャパンホームシールド(JHS)とのお付き合いは「地盤品質保証」を導入した2007年から始まりました。

 「SDS試験をきっかけに要改良工事判定が驚くほど減り、その頃からJHSの解析精度に絶大の信頼を置くようになりました。おかげで当社の地盤に対するスタイルがある程度固まり、地盤工事をしたくないお客様には保証ができない旨を明確に伝え、無用なやりとりやトラブルを避けられるようにもなりました」と評価します。

 東日本大震災をきっかけに「液状化調査」も全棟で導入。さらに、パルコホーム宮城が先行採用していた20年間の「建物長期品質保証(防蟻保証含む)」を、合併に伴ってパルコホーム全拠点で標準仕様にしました。「大手ハウスメーカーでは長期保証があたり前になっているなかで、当社も肩を並べることができるうえ、地場工務店と競合した際の強力な差別化になります。さらに言えば、お引き渡し後の住まいについて提案する機会をつくれるなど、メリットの多い仕組みだと捉えています」と杉沢社長。

 また、JHS東北支店の社員との付き合いも深いのだとか。「新年会や業者会への参加をはじめ、東京・両国にあるJHS本社に出向いて誰がどんなふうに地盤の調査・解析作業をしているかを見学させてもらったこともあります。その誠実な姿勢や、判定が年々高度化していくのを見て、より安心して任せられるパートナーだと思うようになりました」。

新年に開催される、協力業者や関係者が一堂に会する新年会の様子。

東北6県制覇を目指して

 次の目標は「東北6県制覇」。現在は青森・岩手・宮城での展開ですが、未進出の秋田・山形・福島にも順次出店し、名実ともに東北を代表するトップランナーを目指したいと考えています。

 「勢いだけで拠点を増やすことはせず、そのエリアの特性や商流を見極めたうえで慎重に拡大する戦略を立てています」。

 一方で、商圏人口や社員の数に対して拠点数がやや過剰な宮城県内の店舗の見直しも進めています。「オンライン環境が整った今、各店に集客を分散させるよりも1県に1カ所、圧倒的な魅力を持つ拠点をつくりたいと考えています」と杉沢社長。

 誠実な家づくりと人への投資を両輪に、「進化しながら100年続く企業」となれるよう、着実に歩みを進めます。

右からJHS 東北支店の佐藤、パルコホームの杉沢社長、JHS 東北支店の村田支店長。

Sasa-ell Next編集部
Sasa-ell Next編集部
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