
手厚い保証で弱点をつぶし最高性能の住まいを圧倒的コスパで実現/CFL
注文住宅市場が縮むなか、社内業務の効率化と生産性向上に取り組み、昨年度比1・3倍の成長を続けるCFL。今年は大阪の真ん中・グランフロント大阪にも進出しました。この勢いの発生源は、2018年に経営参画した須田修平社長の人並外れた先読み力と行動力です。
須田社長が同社に合流してから現在までの取り組みについて話を伺いました。
取材・文 = 金井友子

一段下がった「ピットリビング」で、落ち着きのある居場所に。ダイニング・キッチンとも緩やかに空間を分ける(西宮店モデルハウス)。

ダイニング・キッチンからは外へと抜ける景色が望める。オープンなキッチンは黒でシックに仕上げた(明石店モデルハウス)。
CFLは兵庫・大阪を中心に展開する注文住宅会社。須田社長は神奈川の出身で、もともとは住宅FCを展開する会社の社員でした。新卒入社後、購買部を経て、フィールドカウンセラーとして全国の加盟工務店の設計・施工指導から、経営、集客、人材育成といった支援に奔走。28歳の時に直営店の立ち上げを任され、採用、営業、経理、広報とあらゆる業務をこなしながら「経営」を経験し、売上を伸ばしました。
転機は2018年。フィールドカウンセラー時代に担当していた工務店の社長から「経営に参画してほしい」との打診があったのです。直営店の運営を通じて経営が自己実現と社会貢献につながることを体験していた須田社長は二つ返事で承諾。東京から兵庫への移住を決め、CFLの前身である三宅工務店に幹部として携わることになりました。

CFL の須田修平社長。変化する日々を楽しみ、有言実行を地で行く。
業務・商品・保証を見直し
たった1年で黒字化へ
まず、社内改革から着手しました。「当時は旧来型工務店の体制や環境を色濃く残しており、休みは少なく、会議は毎週、資料は紙が当たり前でした。業績改善のためにも、社員の定着・採用のためにも、あらゆるムダを減らし、『当社が一番』と胸を張って働ける会社に変えるのが先だと考えました」。
そこで、業務のDXを進め、休日がきちんと取れる仕組みを整え、年末年始の9連休を実現。女性が働き続けられるよう、産休・育休、時短勤務などの制度を新設し、自ら人事部長を務めて採用活動も強化しました。
並行して住宅のグレードアップにも取り組みました。「単に『性能を上げたから価格を上げた』と言うのは簡単ですが、それでは企業努力が足りないというのが私の考え。顧客が求めているのは“高品質・高性能・高コスパ”な住宅であり、そんな家づくりが日本一得意な会社に私たち自身がなるべきだと思ったのです」。購買部での経験を生かして仕入れ・物流を見直し、須田社長自ら建材・設備メーカーに出向いて本当にいいと思える資材を選定し、価格交渉まで行うようになりました。
また、一部のエース的人材に頼り切りだったり、知識・経験は豊富でも成績が安定しない営業を改善するため、オリジナルの「アプローチブック」を導入。初回面談以降のあらゆる場面で必要となる情報と考え方をマニュアル化し、この通りに顧客とやり取りすれば、同社の理念はもちろん、住宅性能の基礎知識から現場管理の体制、商品企画力・コスト競争力が高い理由までをムダなく伝える仕組みをつくりました。
さらに、パートナー企業と基金を設立し、通常は保証対象外の部位も無償修理に応じる10年間の保証体制を独自に構築しています。
こうした取り組みの結果、業績を1年で黒字化。2023年4月に社長に就任しました。

正月やGWなど、お施主様との交流会も定期的に開催している。写真はGW バーベキューの様子。

取引業者を集めて研修や業績報告を実施。地元の業者と業者会を結成しており、つながりが深い。
最高等級×最高品質の
1商品だけに集中する
現在の強みをたずねると、「圧倒的な商品力」だと須田社長は言います。さまざまな顧客層に向けて価格帯やテイストを変えた住宅商品を複数ラインアップするのではなく、『KIWADACHI −極建家』と名付けた1種類に絞っているのが大きな特徴です。
キャッチコピーは「全ての住宅を最高等級に」。その言葉通り、性能面では、耐震等級3、断熱等級7(UA値0・26)、C値0・37(24年平均値)、認定長期優良住宅を標準でクリア。材料・設備面でも、オプション扱いとなることが多い塗り壁や金属サイディング、挽板フローリング、ウォシュレット一体型タンクレストイレなどを標準仕様に設定しています。
「完全自由設計なのでデザインや間取りは顧客の理想を丸ごと叶える一方で、性能や設備は高水準一択。グレードを選べないようにすることで、顧客は高品質・高性能・高コスパな家づくりに早く正確にたどり着けるうえ、売る側もポジショントークやウソを交えることなく、自社商品を自信を持って全力ですすめることができるのです」。
商品数を1つに絞り、前述のように売り方を標準化することで、成果を最大化。さらに、須田社長自らメディアやYouTubeに積極的に露出することで、会社の認知度や信頼度も大きく上がっています。
今年2月には大阪に進出。グランフロント大阪・枚方・堺美原に3拠点を新設しました。採用活動の強化が功を奏し、社員数は100人を超えました。

ジャパンホームシールドの長期品質保証を標準装備した際に、顧客向けに自社の保証内容を網羅した専用カタログを作成。
商品力を高めるために
長期品質保証を全棟標準に
同社とジャパンホームシールド(JHS)との付き合いは、「地盤サポートシステム」を利用し始めた2008年から。最近では「J −RAFT(ジェイラフト)」も導入しました。品質を確保しつつ、杭本数・杭長・工期・コストの削減が見込める改良地盤工法は、大阪で事業展開を進めるうえで心強い味方になると踏んでいます。
さらに2024年12月からは、引き渡し後20年間に渡って建物の構造+防水+防蟻を保証する「長期サポートプログラム」を全棟で標準採用することを決めました。
狙いは「自社の弱点をつくらないため」だと言います。「圧倒的な商品力と、若手でもムリなく営業できる販売力、兵庫・大阪に12拠点展開する組織力など、この7年間であらゆる部分を補強して成長を遂げてきた私たちにとって、初期段階での20年保証は大手・中堅ハウスメーカーに勝つために必要不可欠なピースだと考えたのです」。そこで他の建材・設備と同様、須田社長自ら東京・両国にあるJHSの本社まで足を運び、自社に最適な長期品質保証を検討するためのテーブルについたのだそう。
結果的にJHSを選んだのは、9年目の点検代行があること、雨漏り時の点検精度が高いこと、点検から保証までワンストップで対応する仕組みが確立していることなどが決め手になりました。防蟻については当初から、根拠と保証方法が明快な第三者保証でないと意味がないと考えており、その点JHSの防蟻保証は理想的だったと言います。

玄関に坪庭を設けたモダンな住まい。グレーの外壁と木目のコントラストが美しい(枚方店モデルハウス)。

シャープで洗練された都会的な雰囲気が漂う住まい。ウッドデッキ前には格子を設け、プライベート感を高めている(堺美原店モデルハウス)。
アフターを充実させ
300棟完工を目指す
長期品質保証を標準装備するにあたり、顧客向けには自社の保証内容を網羅した専用カタログを、社員向けには理解・説明がスムーズになる専用マニュアルを制作。顧客向けのカタログは、5種類に及ぶ各種保証とアフターの仕組みを図入りでわかりやすく解説するとともに、引渡し後の住まいと暮らしをいかに手厚くフォローするか、同社の姿勢が1冊でわかるよう構成されています。
契約後には、必ず顧客にアンケートを実施しており、アフターメンテナンス項目に長期品質保証を新たに追加したところ、多くの高い評価をいただきました。この結果から、長期品質保証が顧客のニーズに的確に応えていることが明らかになりました。
私たちは、建物を単なる「物売り」ではなく、「価値売り」として捉えており、その価値を体現する商材として、長期品質保証は一層その存在感を高めていると実感しています。
今年度は半期ですでに120棟を契約(昨年度比123%)し、年間で200棟の完工を見込んでいます。「これまで“選択と集中”で取り組んできたことはすべて、今の結果につながっています。直近の目標は2026年に300棟完工を実現すること。叶えられる数字だと確信しています」。

右からJHS 関西支店の住田、CFL の須田社長、JHS関西支店の東福支店長。






