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末永く地元で家守りしていくため家づくりの責任を持ち続ける/永和住宅

永和住宅は、製材所を起源とする老舗工務店。「自社で見定めた木をお客様に提供したい」との思いから、家づくりを始めました。

今の課題は、安全安心という住宅にとっての当たり前を、当たり前に届けること。その理由について、天谷大門社長と営業部(敦賀店店長)の宮川恵さんに話を伺いました。

取材・文 = 佐野元基(新建ハウジング)

リビングダイニングに接続する形でモダンな和室も。下地窓は庭を借景に(モデルハウス「家の森」)

一部を木質張りにし、L字に配棟した上品な佇まいのモデルハウス「家の森」。

 同社の歴史は、61年前までさかのぼります。原点は、天谷社長の祖父が創業した天谷製材所でした。天谷社長の父親が家業を引き継ぐ際「これからの時代は製材業だけではなく、新しい柱をつくるべき」と考え、「どうせなら自分たちが見定めた木を、家づくりに使いたい」との思いから、1963 年に永平寺町で永和建設工業を設立しました。製材所から出荷する質の高い木材で建てた住宅は、地元の人たちに支持され、あっという間に規模を拡大していきました。

 20年間は地元の永平寺町周辺で活動してきましたが、1983 年には福井市に進出し、永和住宅を設立します。当時、同社が提供する和風住宅のブランド「月の館・豪の館・武の館」は、地元であこがれの的だったそう。数十年たった今も、当時の住宅は存在感ある建物として現存しているものもあり、問屋町にある同社のオフィスも月の館を増改築した建物です。

 一方で、こだわり抜いた住宅は高価格帯になってしまうことが課題でした。そこで、同社等身大の住宅を提供していくため、「杉木立(すぎこたち)」という新ブランドをつくり、住宅展示場に出展。瞬く間に有名になり、看板商品として打ち出すほどの大人気ブランドとなりました。

「次世代に会社を渡すためには、今までと同じことをしているだけではなく、新しい事業を考えていかなければ」と警鐘を鳴らす天谷社長。

次世代を見据えて
会社を再構築

 今では、永和グループとして4社(永和建設工業、永和住宅、クリ英ター永和、永和の走る大工さん)で構成され、それぞれ異なる事業を展開しています。天谷社長は、永和建設工業が60周年を迎えた昨年「アクションプラン2028」を策定。永和グループの経営や成長性を見据えて、5~10年後の次世代へ向けた取り組みを進めることにしました。目標は「100 年企業経営」。天谷社長はビジョンを実現するため、人材育成、家づくりの付加価値向上、利益向上の仕組みづくりの3項目に注力しています。

 また、原点にある製材工場を、自分たちで木材を生産、アレンジできる自社の強み(付加価値)として打ち出します。60周年時に開催した感謝祭で工場見学を企画したところ、当初の募集計画を上回る1500人が集まりました。

 そうした取り組みの中、天谷社長は「次世代に会社を任せるのは、自分の代で整えてからにしたい」との考えで、グループ全体の経費削減や効率化、機能集約を進めて、健全な経営を目指しています。社員には「父親の代でまいた種(事業)が実っただけで、その実(財産)を食べているだけではいけない。次世代に会社を渡していくためには、私たちの代でも種をまく必要がある」と伝えているそうです。

創業は製材所。自社で製材した良質な木材で家づくりを行っている。

性能の高い住宅を
当たり前に提案

 同社では、2009 年からジャパンホームシールド(JHS)の地盤品質保証サービスを利用していますが、2024 年5月に、お客様の住宅を末永く見守るために「長期サポートプログラム」と「地震保証」を導入し、それらのサービスをJHSに一元化しました。

 月の館に代表されるように、同社の住宅は太い柱と梁を用いた躯体が評判でしたが、地盤品質保証を導入する以前は安全安心を〝数値化〟しているわけではなかったため、自社の強みをお客様に納得してもらうためにも前述のような保証が必要だったのです。天谷社長は「性能の高い住宅を、当たり前に提供できるようになった」と話します。

家づくりのカタログ制作も担当する宮川さん。伝え方の工夫にこだわりをもっている。

 長期サポートプログラムの導入にあたって対応したのは、営業部・敦賀店店長の宮川さん。他社サービスから切り替えて一元化した経緯について「JHS担当者からの提案とスピード感、また折り返しの対応のきめ細かさが決め手」だったそう。さらに「手間がかかる内容もあるし、緊急時には素早い対応も求められるので、外部の頼れる仲間として信頼しています」と宮川さんは話します。

 一方で、「長期サポートプログラムは導入したばかり。今後は営業担当全員でロープレ(営業や接客の場面を想定しながら実施するトレーニング)して、お客様に安全安心をしっかりと伝えていく」ことにしています。

当時建てた月の館を、永和住宅のオフィスとして利用。太い柱と梁が特徴的な和風住宅だ。

オフィスの内観。元の趣は残しつつ、働きやすさを目指して改修を続けている。

無垢の素材の心地よさとスタイリッシュなデザインが魅力(敦賀展示場)。

耐震等級3を標準化

 2022 年には許容応力度計算による耐震等級3を標準化。保証サービスと合わせて、耐震等級3の新築住宅を対象とした10年間の地震保証をうたえるようになりました。耐震等級3の標準化は、社内でも意見が分かれたそうですが、天谷社長の「一回の地震では倒壊しないかもしれないが、次の地震には耐えきれない、そんな家をお客様にお渡しできない」という思いから、標準化の実装に踏み出しました。また、「せっかく耐震等級3を標準化したのだから、うまく価値を伝えられるサービスとしても地震保証を活用したい」と話します。

 OB のお客様を中心にリノベーションも手がける同社。昨年、リノベーション事業部を創設し、グループ累計で6000棟を超える物件を、永代に渡り見守り続けていくことに。気密性や断熱性、大規模な災害にも耐える耐震性など、住宅性能は今の時代(ニーズ)に合わせて進化しているため、過去に手がけた家を性能向上を含めてリノベーションすることは、安全安心を提供することにもつながります。「中古物件に対する保証サービスもあればうれしい。よくお客様に聞かれる部分でもあるので、今後もJHS さんと意見交換をしていきたい」(天谷社長)と、常によりよい住まいを提供していくために邁進しています。

右から永和住宅の宮川恵さん、天谷大門社長、JHS中部支店の小野寺支店長、松尾エリアマネージャー(北陸エリア)。

Sasa-ell Next編集部
Sasa-ell Next編集部
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